直腸脱 rectal prolapse ~ 大腸内視鏡検査
直腸脱 rectal prolapse
直腸が肛門をこえて外側に脱出するものをいいます。
直腸肛門疾患の0.5%前後の頻度で肥満や多産歴を有する高齢の女性に多くみられます。
直腸粘膜のみ脱出する不完全直腸脱(直腸粘膜脱)と、筋層を含めた直腸全層が脱出する完全直腸脱に分類されます。
病理・病態生理
直腸脱の成因としては、肛門括約筋の弛緩、骨盤底筋群の脆弱化、直腸S状結腸過長症、Douglas窩の脆弱化と過低、直腸の直線化などといわれています。
また最近は成人男性にみられることもあり、強固な便秘が誘因といわれています。
臨床所見
安静時に直腸脱を確認することは難しく、排便時に確認することが重要です。
脱出の程度は数cm~20cm以上に及ぶものまでさまざまです。
また肛門括約筋不全を伴うことが多く、専門医なら直腸指診で確認可能です。
不完全直腸脱のときは3cm程度で肛門括約筋は正常なことが多いようです。
検査所見
専門医なら身体所見で診断可能ですが、必要に応じ大腸鏡、注腸造影も必要になる事があるようです。
また、排便造影defecographyで直腸脱の確定診断が可能です。
MRIは骨盤底筋群の描出には有利で、最近ではmotion MRIにより直腸脱の原因まで究明可能となる事があります。
診断・鑑別診断
痔核に伴う肛門脱やrectoceleとの鑑別が重要である。rectoceleとは、直腸前壁が腟後壁へ膨らんでヘルニア状になったもので女性の排便障害の一因となります。
経過・予後
予後は良好で直腸脱自体で生命の危険はりません。
S状結腸癌が先進部となって直腸脱をきたすことがありますので、大腸癌の確認が必要です。
治療
手術方法はさまざまなものが相当数あります。
直腸脱の程度と種類により手術方法が考案される事になり、決定的なものはありません。
代表的な手術法として会陰式ではThiersch法、Gant-三輪法、Delorme手術、直腸脱固定法にはKuemmell法、Bacon法、Ripstein法などが有名です。
最近では腹腔鏡下手術で行われることも多くなっているようです。